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   気付けば僕の隣にはいつでも君がいて、季節は穏やかに流れていく。君がくれるたくさんの優しさに僕はいつも救われているんだ。
2024.11.23 Sat
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2014.08.07 Thu
麦わら帽子が好きだったのだと
優しい目をして君は笑った。


表通りから一本入った喫茶店。
チェリー材のテーブルにはアイスコーヒーのグラス。
買い物に出掛けた途中の小休憩。
窓際の席から見える隣の公園の緑は
夕刻に差し掛かろうとする今も
強く陽光を跳ね返している。
やっぱり暑いね、なんて当たり前のことを言いながら
それでも子供の頃は蝉を追いかけたりしたのにと
苦笑混じりにちょっと零せば、
どうやらお転婆な子供だったらしい君は
確かに、と僕に同意をくれた後、
黄緑色のリボンのついた麦わら帽子が好きだったのだと
小さく笑った。
テーブル越しの僕を通り越して
どこか遠くに投げられたようなその眼差しに
どうしてか僕は懐かしいものに出会った気がして。


過ぎ去ってしまった風景を
遠い昔の記憶の欠片を
穏やかなままに思い返す時
きっと人は優しい顔になるんだね。


僕は何時か
こうして君と過ごす夏の景色を
そんな風に思い出すのだろうか。
そしてその時僕の隣には
変わらず君に、いて欲しいと願うのは
我が儘だったり、するのだろうか。
そんなことを今
氷の揺れるグラスを傾けながら
僕はそっと思っている。

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