気付けば僕の隣にはいつでも君がいて、季節は穏やかに流れていく。君がくれるたくさんの優しさに僕はいつも救われているんだ。
2014.07.01 Tue
駅前の本屋で、君の好きな作家の新刊を見つけて手に取った。
君も僕も本を読むことは好きだけれど
ついこの間話した時に、
最近本屋に行っていなくてと不満そうに言っていたから、
この包みを手渡したなら、
少しだけ驚いたように目を大きくして、
それから笑顔を見せてくれるだろうか。
街はもう夏の風が通りを抜けて
街はもう夏の風が通りを抜けて
君の好きな立葵の白が高く咲き始めている。
同じ速さで過ぎる時間は
あまりに普通に流れて行くから、
時折、僕はどことなく
淋しさに似たものを感じたりすることがある。
去年と同じ街に、夏の始めの白い花。
来年もまたあの花は咲くだろうけれど
それは全く同じ花ではない。
今見ている風景は
毎年変わらないようでいて、
それでも今しか見ることは出来ないものなんだ。
静かに流れる毎日を、憂うつもりもないけれど
過ぎ去って行くことに少しの不安を覚えているのかもしれない。
そんなことを感じるのは
きっと今がそれなりに充実しているから、の反作用。
らしくもない考えを払うように小さく頭を振れば
目に入る日射しが眩しい。
もう少ししたならば、アスファルトの照り返しに溜息をつくようになるのだろう。
通り沿いの店のガラスに、華やかな夜空のポスターが見える。
去年は雨で流れた花火大会を
今年は楽しむことが出来るだろうか。
少しばかり膨らませた頬で
恨めしそうに雨空を見上げた君の顔を思い出せば
つい笑顔になりそうで、僕は口元を引き締めた。
そう、当たり前のように季節は通り過ぎて行くけれど、
そう、当たり前のように季節は通り過ぎて行くけれど、
幾つも幾つもまた巡り来るのも事実。
流れる時間の中で、僕たちは立ち止まってはいられなくても
隣で季節を感じていくことが出来る。
春や夏や秋や冬。
似ている様で同じでは無いそれを
何度も過ごして、積み重ねて。
もしかしたら、ずっと後になってから
そんなそれぞれの季節を思い返して
楽しかったねって、笑うのかもしれない。
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