気付けば僕の隣にはいつでも君がいて、季節は穏やかに流れていく。君がくれるたくさんの優しさに僕はいつも救われているんだ。
2014.07.21 Mon
何度見てもどうしたわけか心を惹かれる一枚の前で
少しばかり長く止まりすぎていたことに気付き
視線を巡らせてみれば、
まばらにある人影の向こうで、どうやら僕と同じように
違う絵の前で立ち止まっている君がいた。
もう何度も訪れているこの美術館は
それほど混雑することも無くて
僕たちがゆっくりと過ごすことが出来る定番の場所。
きっと季節ごとに一回は足を運んでいると思う。
お互いそう詳しいわけでも無いけれど
飽きること無く常設の絵画をのんびり眺め、
運が良ければ期間開催の特別展示に出会ったりする。
こうして展示を見ている間は
自然とそれぞれがそれぞれに動くから、
殆ど会話らしい会話なんてしない。
勿論、隣り合って立つこともあるけれど、
いつの間にかに静かに離れて、知らないうちにどこかで並んで、
また思う方へと進んで行く。
暫くの時間をそうして過ごして、僕たちは此処を楽しんでいる。
太陽が高さを増した頃に、
館内の喫茶店で一休みをするのも、いつものこと。
多くは無いメニューカードの並びの中から
君は大抵ミルクティー。僕も変わらずブレンドを。
君の好きな窓辺の席
ガラスの外、小径沿いの植え込みに白い花が咲いている。
その先に続く緑が陽光にキラリと光った。
足早に本格的な夏が訪れようとしていても
今日はそこまで気温が高くないようだから
小径を通って続く公園の方に足を伸ばしてみるのも悪くない。
ちょっとだけ街の音から離れた木々の間を
君とゆっくり歩こうか。
ぐるりと公園を一周するその道の
中程にある木陰のベンチを、僕は結構気に入っている。
君と並んで腰掛けて、暫し。
ざわりと聞こえる葉擦れの音とやわらかな君の声との間の静寂に
もしかしたら僕は
一番の寛ぎを感じるのかもしれない。
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