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   気付けば僕の隣にはいつでも君がいて、季節は穏やかに流れていく。君がくれるたくさんの優しさに僕はいつも救われているんだ。
2024.11.23 Sat
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2014.02.17 Mon

この季節にしては珍しく、気温の上がった暖かな日。
とろりと甘い蜂蜜のような午後の日差しが
微かに眠気を誘うような。
買い物帰りの散歩道
遠回りをして公園を通るのは
天気が良い時の僕たちのお決まりのコース。
春を待つ桜の木の並ぶ緩やかな傾斜の坂道を曲がれば
やがて広場が現れる。
子供達が楽しげに駆け回る先で、大池の水面が陽光を受けている。
小径に沿って足を運べば
数羽の水鳥がゆるりと泳ぐのが見えて
池の畔、ベンチに座る主人の下で
黒い犬がぱたりと尻尾を動かして欠伸をした。

冬の陽だまりには、いつだって
ほっこり、がそっと置いてあると僕は思う。
きっと今までは気づけずにいた“何か”たち。
君と一緒にいることで、きっと
それらは穏やかな光を放ち始め
なんでもなかった一瞬が、かけがえのないものになる。
次の季節にはまだ少しだけ時間のある、冬の午後は短くて
こんな暖かさも、もう少しで消えてしまうのだろうけれど。
緩やかな日差しの中を子供達が駆けていく。
黄色や青の眼に鮮やかなマフラーが、枯れ色の公園に色を付ける。
不意にコースをそれて転がってきたボールを小さく投げ返した君が
「ありがとう」
無邪気な声に微笑み返す。
やわらかな眼差しに、なんだか僕まで嬉しくなった。
「?」
「・・・なんでもないよ」
僕の視線に気付いた君が、訝しげな色を浮かべたけれど
君を見ていると、それだけで
なんと言うか僕は、すごくほっとするんだって
照れくさいから
やっぱり言わない。

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