気付けば僕の隣にはいつでも君がいて、季節は穏やかに流れていく。君がくれるたくさんの優しさに僕はいつも救われているんだ。
2013.09.07 Sat
ペーパードリップの湯気の向こうで
君がゆっくり微笑んだ。
“大丈夫”
声には出さずに、そう言ってくれている。
ことりとテーブルに置かれたマグカップには
やわらかなクローバーのグリーン。
忙しいということを
言い訳にしていいなんて思ってはいないけれど
上手く自分が紡げなくて空回り気味の僕が居る。
自分なりに出来ることをしているつもりでも
思い通りにいかないことは予想以上に多い。
どうしてこんなに何も出来ないのだろうと、
正直ひどく落ち込んだりもして。
社会に出たばかりの新人でもないのに
あまりにどうにもならなくて。
誰のせいでも無い、それは自分の力不足のせいなのだと
言われなくてもわかっているのに。
そして、そもそもそんなことで俯きがちになることが
どうしたって情けなくて。
そう、だからそんなことは口には出せない。
堂々巡りとジレンマが
溜息の形で零れてしまう。
・・・。
元気を出して、頑張って
こんな時、君は僕にそうした言葉を掛けることは無い。
そう、それはきっと
きっと君にだって時折あること、なんだろう。
お互い、暢気なだけの毎日ではないから。
ぽん、とやわらかな手のひらが
さり気なく僕の頭に乗せられて
すぐにさらりと通り過ぎていった。
マグカップを手にして
「ありがとう」
珈琲を口にする。
君が淹れてくれたそれは
砂糖もミルクも入ってはいないはずなのに
いつでもほんの少しだけ、甘い。
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