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   気付けば僕の隣にはいつでも君がいて、季節は穏やかに流れていく。君がくれるたくさんの優しさに僕はいつも救われているんだ。
2024.11.23 Sat
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2014.02.10 Mon

どうにもならないふがいなさと、とらえどころのない憂鬱に
動けなくなるほどに子供でもないけれど
簡単に振り払えるほど大人でもなくて。
出来ることならいつだって
君の笑顔を守ってあげられるように
安心して君が僕の隣にいてくれるように
まっすぐ立っていたいのだけれど、
なかなかに思い通りにいかなくて
焦燥じみた何かに捕らわれたりもする。

ねぇ僕は
ちゃんと歩けているのかな
ゆらゆらと、揺らいでばかりいるのかな。

零れそうな溜息を、熱いコーヒーの苦さに隠して
窓越しの曇りの街に目を向ける。
テーブルの向こうからは
君の細い指先の、本の頁を捲る微かな音。
こんな僕に呆れるわけでもなく、何を言うわけでもなく、
ただそっと一緒に時間を過ごしてくれる。
僕が気にしすぎないようにと、活字を静かに追っている。
それを申し訳なく思いつつも、
許される静寂に、甘えてしまっている僕がいる。

小さくクラクションの音がして
街道を路線バスがすれ違う。
みんな、どこまで行くんだろう。

なんだかね、なんて自嘲気味の溜息を
飲み込むようにカップを口に運んで。
戻しかけた手が止まる。
さっきまでブラックだったコーヒーに
おそらくは、角砂糖一つ分のやわらかさ。
視線を戻せばテーブル越し、ちょっとだけ悪戯めいた眼差しの君がいて。

そう、いつだって
君はやんわりと僕の背中を押してくれるんだ。
こんな僕でいいのかな
口に出したことはないけれど
でももしも僕がそう言ったなら
きっと君は穏やかに微笑んで
それでいいんじゃない?
なんて言ってくれるんだろうね。

手にしたカップから立ち上る湯気が静かにかき消えていくように
感じていたはずの僕の胸の苦さは
君のくれた甘さに許されて、するりとほどけて散っていく。

ねえ、僕は
とても君が好きなんだ、って
なかなか声にはできないけれど、
ガラスの向こうの空にそっと、唇だけで呟いた。

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2014.01.31 Fri


日常の何気ない一言が、
こうして過ごす一見無駄に見える時間が、
どれほど大切で、どれほどこころを落ち着かせるものなのか
共に在るうちに自然と教えられ、それを望んでいる自分がいる。
「ね」
「ん」
君の頬に、やわらかな笑み。
僕は君の隣を歩く。
白く青い空をふわりと何かが過ぎったようで
コートの襟を立てたままに目線を上げれば
冷たさの中にも懐かしさをはらんだ穏やかな風に
ふと、包まれた気がした。
路地の途中、生け垣の向こうで落ち葉でも燃しているのだろうか、
細い煙が立ち上って空に溶けていく。
アスファルトに乾いた靴音。
どこかで鳥が鳴いている。
いつの間にか当たり前になった君と僕との距離。
こうしてふたり、並んで歩く時の
君のものでもない、僕のものでもない、穏やかな速度。
ありきたりな、でも大切な僕たちの日常は
ゆっくりと静かに過ぎて行く。

かけがえのない穏やかな時間を
これからも隣で、君と重ねて。
僕は、そう願ってもいいだろうか。

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2014.01.18 Sat

冬の通りを並んで歩く。
歩調を同じくして、すぐ近くで君を感じながら歩く駅までの道
首筋を通る北風は歓迎したいものではないし、
指先はちょっと冷たいけれど
もう少しこの道が長くてもいい、なんて
確かに僕は、今思っている。

寒いだけの季節だと、僕は冬をあまり好きではなかった。
外に出たくはないと言っていられるわけでもないけれど
わざわざ散歩に出るなんて考えてもみなかった、はずだった。
それがいつの間にか
こうして
じゃあ、駅まで歩こうかと君に微笑む自分がいて
それがちょっとだけ、不思議になったりもする。
冬寒の頃とは言っても通り沿いの生け垣は常緑を映し、
所々で鉢植えやプランターも花の色を見せてくれる。
ひとつひとつの花の名前も知らないけれど
きっとそれでもいいのだろう。
街はその時々で色を変えて
僕らの日常を包んで過ぎる。

 「うん?」
ほら
こうしてやわらかな微笑みが見られるのならば
こんな冬の散歩だって悪いものでは無い。
そして僕は僕のままに、
ずっと君の傍にいたいんだ。

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2014.01.09 Thu


君が僕に与えてくれるもの
願わくばそれと同じだけのものを返せているのならば、いい。

冬の空を、鳥が飛んでいく。
何とはなしに遠ざかるその影を見送って視線を手前に戻せば、
君のマフラーのカフェオレ色。
高すぎもせず、低くもなく、
耳馴染みの良い君の声が作る僕の名前のカタチは
きっと他の誰にも真似できない。
我が儘を言うことも、甘えることも、滅多にしなくて
きっと無自覚にいつでも無理をしてしまう、そんな不器用な君が
必要な時には安心して背を預けられる存在でありたいと
僕はいつも思っているんだ、なんて
口にはどうにも出せないけれど。
買い物帰りの並木道には色を落とした葉が舞い踊る。
風が巻き起こした小さな螺旋を
君が目で追っている。
そのやわらかな微笑みを
僕はこの先もずっと守っていけるのだろうか。
突然に思い浮かんだ問いかけを、自嘲気味に追い払う。
そう、きっと
守る、ことなど必要では無いのだ。
穏やかな存在感に秘められたしなやかな強さを知っている。
存外子供のような一面も、時折のひどく脆い一面も
全て
この世界の何よりも間違いなく大切なのだと
どうすれば伝えられるのだろう。
僕はずっと
君と同じ景色を見て歩いて行きたいと
今、本当に思っているんだ。

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2013.12.29 Sun
何時の頃からか当たり前になっている、君のいる風景。
春の花や夏の風、秋の彩りに冬の静けさ。
そんなシーンをもう何度重ねて来たのだろう。
そしてこれからも変わらず巡る季節に
僕はどれだけこうして君を見つめていられるだろうか。
君がいて、僕がいる。
そんな時間がずっと続いていくことを、
許されるならば僕は願う。
当たり前のように言葉を交わし、同じ景色を見て、時を過ごして。
小さな喧嘩も時にはするし、色々が上手くいかないこともある。
毎日を穏やかなだけで過ごしていられるはずもない。
でもね
結局
君がいてくれたなら
きっと僕は本当に、それだけでいいんだ。

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